猫の里親募集を成功させる10のコツ【9.問い合わせ・応募が来たあとの対応】
2021/12/10
猫の里親募集のコツ特集(全10回)の第9回、「問い合わせ・応募が来たあとの対応」です。複数きたご応募からより良い里親さま候補を見極め、他の募集に取られないようにキープしておく方法について。
前の記事 猫の里親募集を成功させる10のコツ【問い合わせ・応募が来る前にしておくこと】
【9.問い合わせ・応募が来たあとの対応】
◆「お問合せ・ご応募はすぐに確認」「なるべく早く返信」
ご応募者さまからよく聞かれる声に「応募したのにいつまでも連絡がない…」があるからです。
譲渡者への不快感や不信感を招きかねず、ご応募への熱意も冷ましてしまう恐れがあるので、
なるべく早く返信しましょう!
お仕事などで忙しい方は、あらかじめ「対応可能時間」「返信までの時間・日数」を募集に記載しておくと良いです。
「多忙のため、ご応募いただいてからご連絡さしあげるまで半日ほどかかることがあります」
「ご応募はすぐに拝見しますが、ご連絡は週末となります」など、
「お待たせして申し訳ありませんが、事情があるためご理解お願いします」という気持ちを表現しておくと、印象はかなり違ってきます。
とはいえ、応募する側はたくさんの募集を目にしています。最近は応募してもなかなか譲渡してもらえないため、「この募集がだめなら他に応募したい」という焦りを感じている方も多いです。
長くお待たせするほど他の募集に流れてしまうリスクが高まりますので、返信はなるべく早くしましょう。
最初の返信は定型文でも構いません。
前の記事で書いた「応募者さまアンケート」 (文例)をご応募が来る前から用意しておくのは、このためです。
なるべく早めにアンケートをお送りして、応募者さまの回答を待ちましょう。
というのは、最初のご連絡だけで「この方にお渡しすれば間違いない!」という確信が持てることは、ほとんどないからです。
気になることや不明なことは確認し、信頼を得るためにある程度は自分のことも説明して、双方納得して猫を授受できるか決断するまで、何度もやり取りをします。
メールのやりとりだけでなく、電話で話したり、お見合いに来ていただいて対面で話す・猫への接し方を見るなども必要です。
注!!
「早く返信する」=「早く里親さまを決定する」ではありません!
ご応募くださった方があなたの求める里親さんの条件を満たしているか、慎重かつ礼儀正しく見極めるまで、簡単に決めないほうが良いです。
◆「応募者様ノート」を埋めながら検討
応募者さまからのメールやアンケート回答、電話やお見合い時の会話内容によって、前の記事で書いた「応募者様ノート」の各項目を埋めていきます。
その他、印象に残ったことがあれば、余白にメモしておきましょう。
「話しやすい感じ」または「なんとなく気が合わない感じ」など。
応募条件(譲渡条件)は「大事な猫のために、これが必要」と考える内容ですが、
譲渡者と応募者、「人間同士の相性」も、かなり大切です。
立場の違う者同士がスムーズに気持ちよく契約し、譲渡後も良い関係を続ける必要があるからです。
猫にとって「譲渡者の家と同程度またはより良い飼育環境」、
人間にとっては「自分と共通点の多い、親近感を感じる、相互理解しやすい、猫についての感覚が同じ」など「自分と似ている人」が、良い里親さんと言えるのではないでしょうか。
◆お見合い・お届け日時の調整
お見合い=譲渡契約成約 ではありませんが、お見合いまで進めた方は「ほぼ決まり」となる場合が多いです。
そのため、お見合い日時が決まるまでは、ご応募者さまへの連絡はこまめに行うこと。
そうしたほうが、言葉は悪いですが「キープ(つなぎ留めておく)」ことができます。
同時に複数の募集に応募することは推奨しないサイトが多いですが、禁止事項ではないので、決定までは複数に応募問い合わせするのはご自由です。
「自分を里親に選んでもらえる可能性が少ない・ない」と感じさせるほど、よそ見されてしまいます。
かと言って、誰でもとにかくつなぎ留めておくべきではありません。
「この方とはこれ以上お話を進める気がない」とハッキリした段階で、早めにお断りの連絡を差し上げるのがマナーです!
★お見合いは必須!
知らない人に大切な猫ちゃんを託すのですから、実際に会って「どんな人か」「猫への接し方はどうか」を確認するのは重要。決定の前にお見合いは外せません。
お渡しの際は「ご自宅へのお届け&飼育環境の確認」をさせていただくわけですから、
まずは自分の家にお見合いに来ていただき、同程度に飼育環境を見ていただくのがフェアというもの。
かと言って、不特定多数の人に自宅に来てもらうのも大変なことですから、まずは「お見合いに来てほしい人かどうか」の見極めを、メールや電話でのやりとりで行うことになります。
★子猫のお渡しは生後2か月以降に。
子猫の場合、母猫やきょうだい猫と離す時期は生後2か月以降と言われています。
生後2か月程度で離乳食を食べられるようになり、母乳がなくても生きていけるようになります。
母猫やきょうだい猫との生活から「猫同士のつきあい方(猫の社会化)」の基礎を身に着けるためにも生後2か月くらいまでは一緒に居たほうが良いと言われています。
親兄弟と一緒でなく、1匹だけ保護した子猫の場合は、里親さんの受け入れ態勢がもしも万全なら、もう少し早くお渡しできることもあります。
しかし、そう簡単なことではないので、その旨は里親さんによく説明する必要があります。
離乳前の子猫のお世話はとても難しく大変で、「可愛い赤ちゃん時代から育ててみたい」という甘い気持ちだけでやり切れるものではありません!
少なくとも4時間置きにミルクを飲ませたり、お尻を刺激してオシッコ・うんちをさせてあげなければなりません。
ミルクを誤嚥させてしまうと肺炎になり、致命的です。
ちょっとした温度変化などが原因で体調が急変して命が危険になることもあります。
「赤ちゃん猫を人工哺乳で育てた経験が何度もある」
そんな人でなければ、離乳前の子猫をお渡しするのはやめたほうが良いでしょう。
ミルク猫ボランティアさんたちは、研修を受けてから初めて赤ちゃん猫を受け入れることができます。
素人が簡単にできることではないのです。
★ご自宅へのお届け&飼育環境の確認
ご自宅へのお届けは、交渉時に聞いた内容にすべて偽りがないかの、最終確認でもあります。
里親詐欺や虐待者、アニマルホーダーではないか、
猫が生活するための安全対策(ケージ、トイレ、転落や感電、脱走防止対策など)が済んでいるか、
などが特に気をつけて確認する点です。
先住猫がいる場合は、みな良いお世話を受けて大切に飼育されているか、見せていただく必要があります。
★トライアル契約書・譲渡契約書の記入と交換
トライアル(お試し飼育)時のトラブルも時々聞きますので、トライアル期間や期間中の諸経費(特にトライアルの結果、譲渡しないことになった場合の)、期間終了後に双方の合意があって初めて正式譲渡になる旨など、取り決めを行って書面にしておいたほうが無難です。
【9.問い合わせ・応募が来たあとの対応 まとめ】
・返信は早めに。(最初の返信はあらかじめ用意しておいた定型文・アンケートでも可)
・やりとりしつつ「応募者様ノート」を埋めていき、検討。
・お見合いとご自宅へのお届けは必ず行う
・子猫の譲渡は生後2か月以降
・トライアルの場合でも書面にしておいたほうが無難
・立場の反対の者同士がお互いに気持ちよく合意できるよう、礼儀と配慮が必要。
・共通点の多い・相性の良い人を選ぶのも大切。
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